インプラントの素材の種類

インプラント治療は、部位によって使われる素材が異なります。
現在、主に使用されているインプラント治療に使われる素材は以下の3種類です。
チタンはインプラント体、ジルコニアとポリエーテルエーテルケトンは上部構造(人工歯)の素材です。

  1. チタン
  2. ジルコニア
  3. ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)

それぞれの素材には、メリットとデメリットがあります。
素材の特徴を理解した上で、患者さんに合ったインプラントを選択することが重要です。

チタンインプラント

メリット

  • 生体親和性が高く、拒絶反応が起こりにくい
  • 強度と耐久性に優れている
  • 長期的な臨床実績がある
  • 骨との結合(オッセオインテグレーション)が良好

デメリット

  • 金属アレルギーを持つ患者さんには使用できない
  • 歯肉が薄い場合、インプラントの金属色が透けて見えることがある
  • MRI撮影時に画像にアーチファクトが生じることがある

ジルコニア

メリット

  • 優れた審美性を有し、天然歯に近い色調を再現できる
  • 金属アレルギーの心配がない
  • 生体親和性が高い
  • プラークの付着が少なく、衛生的

デメリット

  • 対合歯よりも硬い
  • 治療費が高い

PEEKインプラント

メリット

  • 弾性係数が骨に近く、応力の分散に優れている
  • 軽量で、快適な装着感が得られる
  • X線透過性が高く、術後の評価が容易
  • 熱や電気を通しにくい

デメリット

  • 審美性がジルコニアに劣る
  • 表面処理や設計に工夫が必要

素材選択のポイント

インプラントの素材選択には、以下のような点を考慮する必要があります。

1. 患者さんの全身状態と口腔内の状況

金属アレルギーの有無、顎の骨の状態、歯肉の厚みなど、患者さんの全身状態と口腔内の状況を評価し、適切な素材を選択することが重要です。

2. 審美性の要求度

前歯部など、審美性が重視される部位では、ジルコニアインプラントが好まれる傾向にあります。
一方、奥歯部では、強度と耐久性が重視されるため、PEEKインプラントが選択されることが多いです。

3. 長期的な予後

インプラント治療は、長期的な使用を前提とした治療法です。
長期的な臨床実績と予後を考慮し、信頼性の高い素材を選択することが大切です。

インプラントの素材は、チタン、ジルコニア、PEEKの3種類が主流です。
それぞれの素材には、メリットとデメリットがあり、一長一短と言えます。
患者さんの状況や要望に合わせて、最適な素材を選択することが重要です。

素材選択に迷ったら、専門医に相談することをおすすめします。
専門医が患者さんの口腔内の状態を詳しく評価し、長期的な予後も考慮した上で、最適な素材を提案してくれます。
また、素材によって治療費用が異なることも考慮する必要があります。

インプラント治療は、素材の選択も含めて、患者さん一人ひとりにカスタマイズされる治療法です。
専門医とよく相談し、自分に合ったインプラントを選択することが、治療の成功につながります。
素材の特徴を理解し、納得した上で治療に臨むことが大切です。