インプラント治療の種類
インプラント治療は、失われた歯の機能を回復するための優れた治療法ですが、その種類と方法は多岐にわたります。
患者さんの口腔内の状態や要望に合わせて、最適な治療法を選択することが重要です。
以下は、代表的なインプラント治療の種類です。
- 通常のインプラント治療
- 即時荷重インプラント
- All-on-4・All-on-6
- ミニインプラント
- ショートインプラント
それぞれの治療法は、適応症例や特徴が異なります。
自分に合った治療法を選択するためには、それぞれの治療法のメリットとデメリットを理解することが大切です。
通常のインプラント治療
概要
通常のインプラント治療は、二回法とも呼ばれ、最も基本的なインプラント治療です。
インプラント体を顎の骨に埋入し、3〜6ヶ月の治癒期間を経て、二次手術を行います。
その後、上部構造(かぶせ物)を装着します。
メリット
- 長期的な臨床実績があり、信頼性が高い
- 幅広い症例に適応可能
デメリット
- 治療期間が比較的長い
- 二回の手術が必要
即時荷重インプラント
概要
即時荷重インプラントは、インプラント体の埋入と同時に、仮の上部構造を装着する方法です。
手術当日から仮歯ですが使用することができるため、日常生活で不自由を感じる期間が大幅に短縮されます。
メリット
- 治療期間が短い
- 手術回数が少ない
- 早期に見た目の改善が得られる
デメリット
- 適応症例が限られる
- 術者の高い技術が要求される
All-on-4・All-on-6
概要
All-on-4・All-on-6は、少数のインプラントで総義歯を固定する方法です。
All-on-4は4本、All-on-6は6本のインプラントを用いて、総義歯を固定します。
即時荷重が可能なため、手術当日から固定式の総義歯を使用することができます。
メリット
- 手術回数が少ない
- 治療期間が短い
- 固定式の総義歯が使用できる
デメリット
- 適応症例が限られる
- 手術の難易度が高い
ミニインプラント
概要
ミニインプラントは、直径が2〜3mmと細いインプラントです。
通常のインプラントと比べて侵襲が少なく、治療期間も短いことが特徴です。
主に、下の総義歯の固定に用いられます。
メリット
- 手術の侵襲が少ない
- 治療期間が短い
- コストが比較的安い
デメリット
- 適応症例が限られる
- 長期的な予後に関するデータが少ない
ショートインプラント
概要
ショートインプラントは、長さが6〜8mmと短いインプラントです。
顎の骨の厚みが薄い部位でも、骨造成を行わずにインプラント治療が可能です。
手術の侵襲が少なく、治療期間も短いことも特徴です。
メリット
- 骨造成が不要
- 手術の侵襲が少ない
- 治療期間が短い
デメリット
- 適応症例が限られる
- 長期的な予後に関するデータが少ない
インプラント治療の種類と方法は、患者さんの口腔内の状態や要望によって選択されます。
例えば、単独の歯の欠損では通常のインプラント治療が選択されることが多いですが、総義歯の固定にはAll-on-4・All-on-6やミニインプラントが適している場合があります。
また、骨の量が少ない場合でも、ショートインプラントを用いることで、骨造成を回避できる可能性があります。
即時荷重インプラントは、早期に見た目の改善が得られるため、審美性が重視される前歯部の治療に適しています。
自分に合ったインプラント治療の種類と方法を選択するためには、専門医による詳細な診査と相談が不可欠です。専門医が患者さんの口腔内の状態を評価し、要望を伺った上で、最適な治療法を提案してくれます。治療法のメリットとデメリット、リスクと予後についても丁寧に説明してもらいましょう。
インプラント治療は、QOLの向上に大きく貢献する素晴らしい治療法ですが、種類と方法の選択を誤ると、治療の成功率が低下したり、合併症のリスクが高まったりする可能性があります。
専門医とよく相談し、納得した上で治療法を決定することが大切です。