インプラント治療は、失われた歯の機能を回復する優れた治療法ですが、長期間にわたり保つためには治療後のメンテナンスが非常に重要です。
定期検診を受けることで、インプラントに生じたさまざまな問題を早期に発見し、適切な対処を受けることができます。
ここでは、定期検診で見つけ出せるインプラントの問題の兆候について詳しく解説します。
1. 歯肉の腫れや発赤
兆候
インプラント周囲の歯肉に腫れや発赤がある場合、インプラント周囲炎が疑われます。
歯肉が赤く腫れ上がり、触れると痛みを感じることがあります。
対処法
対処法はまずは歯科医院で専門的なクリーニングを受けることです。
インプラント周囲炎の原因となる歯垢やバイオフィルムを除去します。
重度のインプラント周囲炎では、抗菌薬の投与や外科的処置が必要になることもあります。
防ぐためには自宅でのブラッシングと、デンタルフロスや歯間ブラシの使用を徹底しましょう。
2. 歯肉からの出血
兆候
ブラッシングやフロッシング時に、インプラント周囲の歯肉から出血した場合、インプラント周囲炎が進行している可能性があります。
対処法
歯科医院で専門的なクリーニングを受け、歯肉の炎症を改善します。
ブラッシング方法の見直しや、より効果的な口腔ケア用品の使用を検討しましょう。
3. 排膿(うみ)
兆候
インプラントの周囲から膿が出る場合、インプラント周囲炎が重度になっている疑いがあります。
膿が出ると、口臭が強くなることもあります。
対処法
歯科医院で膿を出さなければなりません。
また、切開などの外科的処置のほか、抗菌薬の処方を行います。
重度の場合は、インプラントを一時的に取り外し、周囲の感染組織を徹底的に除去する必要があります。
4. インプラントの動揺
兆候
インプラントに動揺がある場合、インプラントと骨の結合が失われている可能性が疑われます。
その状態で放置すると、インプラントの脱落につながる危険性があります。
対処法
適切な処置を受けていただくために、まず歯科医院でインプラントの動揺の原因を特定してもらいます。
早期であれば、咬合調整や暫間的な固定で対応できる場合もあります。
インプラントが動揺している場合は、骨との結合が失われていますのでインプラントを除去する必要があります。
5. 咬合の変化や違和感
兆候
インプラント上部構造の咬合が高くなったり、噛み合わせに違和感がある場合、インプラントに過度の力がかかっている可能性があります。
インプラント上部構造の咬合が強く当たりすぎていると、インプラントと骨の結合が失われインプラント周囲炎になってしまいます。放置するとインプラントを除去する必要が出てきます。
対処法
歯科医院で咬合調整を行い、インプラントへの過度な負荷を取り除きます。
必要に応じて、上部構造の修理や再製作を行います。
6. インプラント周囲の知覚過敏
兆候
インプラント周囲の歯肉が、冷たいものや熱いものに対して敏感になっている場合、インプラント周囲炎やインプラントの不適合が疑われます。
対処法
歯科医院でインプラント周囲の状態を確認し、原因に応じた処置を行います。
インプラント周囲炎の改善や、上部構造の適合調整などが必要になることがあります。
まとめ
インプラントの問題を早期発見するために、定期検診で見逃せない兆候があります。
具体的には、歯肉の腫れや発赤、歯肉からの出血、排膿、インプラントの動揺、咬合の変化や違和感などです。
これらの兆候を発見したら、速やかに歯科医院で適切な処置を受けるようにしてください
インプラントのさまざまな問題は、早期発見と早期対処により、さらなる悪化が防げ、インプラントを長持ちさせられるようになります。
定期検診を怠らず、日頃からインプラント周囲の変化に注意を払うことが大切です。
その上で、自宅でのセルフケアを徹底し、口腔内の健康維持に努めましょう。
インプラント治療は、適切なメンテナンスを継続して受けることで、長期的に良好な結果が得られます。
定期検診で問題の兆候を早期に発見し、そして適切に対処してもらうことで、インプラントを健康に保ち、快適な口腔内環境を維持しましょう。