島根県内のインプラント名医が在籍する歯科医院一覧

神庭歯科医院

予防を基盤とした包括的歯科医療の実践
~神庭光司先生インタビュー~

25年にわたる臨床経験を通じて、義歯治療からインプラント治療、そして予防医療へと専門性を深化させ、歯周病・補綴の両分野で専門医資格を持つ神庭光司先生に、患者様本位の歯科医療についてお話を伺いました。

歯科医師としての転機と専門性の確立

まず、先生の歯科医師としての歩みについてお聞かせください。

東京歯科大学卒業後、大学院で歯学博士号を取得し、歯科補綴学を専門に学びました。2001年からは義歯治療を深く研究する中で、「どれほど丁寧に作っても、義歯だけでは十分な機能回復が難しい」という現実に直面しました。義手で物を投げたり、義足で走ることが難しいのと同じように、義歯にも限界があると痛感し、患者さんの生活の質をより高められる方法としてインプラント治療を学び始めました。

インプラント治療を学ばれる中で、どのような気づきがあったのでしょうか?

東京歯科大学では1980年代からインプラント治療が行われており、長期経過を観察できる症例が数多くありました。良好な経過を示す症例がある一方で、インプラント周囲炎により除去に至る例も見てきました。この経験から、「失った歯を補うだけでなく、ご自身の歯やインプラントをできる限り長持ちさせる技術こそが必要だ」と考えるようになりました。

予防医療との出会いと決断

2008年に大きな転機があったと伺いました。

長野県の小さな町で歯周病専門医として診療されている先生のもとを訪ねる機会がありました。人口3万人に満たない地域でありながら、遠方から多くの患者さんが通ってくるその診療に大きな感銘を受けました。「自分もこのような歯科医療を目指したい」と決意し、勤務していた大学病院を退職し、その先生のもとで予防医療と歯周病治療を一から学ぶ道を選びました。

大学病院を離れるという決断は、大きな転機だったのではないでしょうか?

はい、大きな決断でした。しかし、「本当に患者さんのためになる医療とは何か」を追求したいという思いが勝りました。予防を基盤とした歯科医療こそが、患者さんの生活の質を長期的に支える最善の方法だと確信したからです。

開業と診療理念の実践

2012年の開業について、どのようなコンセプトで始められたのでしょうか?

私たちが最も大切にしているのは「治療後の予防」です。どれほど優れた治療を行っても、それを必要としない健康な状態を保つことに勝る医療はありません。診療の柱として、歯周病治療による「歯の保存」、入れ歯やインプラントによる「機能の回復」、見た目の自然さや快適さに配慮した「審美的回復」の三つを掲げ、予防を土台にした診療を続けています。

患者さんの多様化するニーズにはどのように対応されていますか?

近年、患者さんの価値観も多様化し、見た目や快適さを重視するニーズも高まっています。そのため、患者さんのご希望を丁寧に伺い、「長持ちを優先したい」「見た目を重視したい」「しっかり噛めることを重視したい」といった、それぞれの価値観やライフスタイルに寄り添った治療を提案しています。

専門医としての包括的アプローチ

歯周病と補綴の両分野で専門医資格をお持ちですが、その強みについて教えてください。

歯周病専門医と補綴専門医の両方の資格を持つことで、お口全体の健康と長期的な安定性を見据えた包括的な治療計画を立てることができます。歯を支える土台である歯周組織の健康管理と、失った機能を回復する補綴治療の両面から、患者さんに最適なアプローチを提供できることが大きな強みです。

インプラント治療における安全性の確保について教えてください。

当院ではすべてのインプラント治療をガイデッドサージェリーにて行い、安全性を最優先しています。また、サイナスリフトやGBRなどの高度な骨造成技術にも対応し、患者さんの状態に合わせた最適な治療を提供しています。ただし、専門医であっても万能ではありませんので、当院での対応が難しい場合には、適切な専門医療機関をご紹介しています。

患者様とのコミュニケーション

診療において最も大切にされていることは何でしょうか?

常に患者様のお話をよく伺い、患者様と同じ方向を見つめる姿勢を大切にしています。専門用語ではなく、患者さんの立場に立ったわかりやすい説明を心がけ、検査や診断結果を踏まえて、何が問題なのか、どのような治療方法があるのか、費用や期間はどのくらいかを丁寧にお伝えし、一緒に最適な治療方針を考えていきます。

セカンドオピニオンにも対応されているのですね。

はい、患者さんが納得して治療を受けられることが何より重要です。他院での診断や治療方針について疑問や不安がある場合、セカンドオピニオン・サードオピニオンも承っています。患者さんに必要な情報を十分に提供し、最善の選択をしていただけるようサポートしています。

予防を基盤とした治療の流れ

貴院の治療の流れについて教えてください。

まず主訴への応急処置を行った後、お口全体の精密検査を実施します。これは建築でいう土地の調査にあたる重要なステップです。歯は一度削ると二度と元には戻らないため、予防が最も大切なのですが、来院されるほとんどの患者さんにおいて、歯周病やむし歯が自覚なく進行しています。検査結果をもとに、患者さんと相談しながら治療方針を決めていきます。

歯周病治療を重視される理由は何でしょうか?

歯周病治療は建築でいう「基礎工事」にあたる、大切な基盤づくりです。土台がしっかりしていなければ、どんな治療も長持ちしません。歯ブラシ指導、歯石除去、むし歯・根管治療を行い、重度の場合は歯周組織再生療法なども実施します。その上で補綴治療を行い、最終的には定期検診による予防処置で健康を維持していきます。

長期的な健康維持への取り組み

定期検診の重要性について教えてください。

定期検診こそが本当のスタートです。どんなに時間や費用をかけて治療しても、放置すれば病気は再発します。自分の歯に勝るものはありません。平均3〜4か月に1度、定期的に通院いただき、検査による病気の早期発見と日常のセルフケアの確認を行い、再発防止と健康維持をサポートしています。

最後に、患者様へのメッセージをお願いします。

私たちは、自分自身や家族が受けたいと思える治療を提供することを信念としています。診療の質の維持と向上に努め、感染対策と医療安全を徹底しながら、患者さん一人ひとりに寄り添った歯科医療を実践してまいります。お口の健康を通じて、皆様の生活の質向上に貢献できることが私たちの喜びです。

神庭歯科医院

所在地
〒690-0015 島根県松江市上乃木7-6-5
電話番号
0852-67-5555
診療時間
月・火・水・金・土:09:00〜12:20 / 14:20〜16:40
休診日
木曜日・日曜日・祝日
公式サイト
https://kamba.ci2.jp/
所属学会
日本歯周病学会 認定医・専門医
日本補綴歯科学会 専門医・指導医
日本口腔インプラント学会 会員