嶋田 淳
Jun Shimada
経歴
- 1980年
- 城西歯科大学歯学部卒業
- 1984年
- 城西歯科大学大学院歯学研究科卒業
(歯学博士:口腔外科学専攻)
- 1986年
- 城西歯科大学歯学部助手
(口腔外科学第1講座)
- 1988年
- 城西歯科大学歯学部講師
(口腔外科学第1講座)
- 1991年
- 明海大学歯学部助教授
(口腔外科学第1講座)校名変更による
- 2004年
- 明海大学歯学部教授
(口腔顎顔面外科学分野)
- 2020年
- 明海大学歯学部付属明海大学病院教授(現職)
- 2024年
- 明海大学名誉教授
主な資格など(専門医・認定医・学会活動等)
公益社団法人日本顎顔面インプラント専門医・指導医・理事長
公益社団法人日本口腔インプラント学会専門医・指導医
ICOI Fellow, Diplomate,一般社団法人国際口腔インプラント学会(ICOI) 日本支部理事長
ITI Fellow
ITI Japan認定インプラントスペシャリスト
公益社団法人日本口腔外科学会専門医・指導医
一般社団法人日本歯科麻酔学会認定医
一般社団法人日本小児口腔外科学会指導医
一般社団法人日本有病者医療学会専門医
一般社団法人日本顎咬合学会指導医
はじめに
日本顎顔面インプラント学会理事長を務め、明海大学歯学部付属明海大学病院教授、2024年には明海大学名誉教授となった嶋田淳先生。日本口腔外科学会専門医・指導医、日本口腔インプラント学会専門医・指導医、日本顎顔面インプラント学会指導医として、そしてICOI国際口腔インプラント学会日本支部の初代理事長として、インプラント治療の発展に尽力してこられました。
口腔顎顔面外科学、口腔インプラント学、歯科麻酔学、高齢者歯科学、有病者歯科学を専門とし、骨造成完全マスターシリーズなど、難症例への対応において日本のトップレベルにある嶋田先生に、真に信頼できるインプラント医師の条件と、患者が知っておくべき重要なポイントについて伺いました。
口腔外科医としての視点
――「できる」と「すべき」は違う
――先生は口腔外科学を基盤としてインプラント治療に取り組んでこられました。この視点がなぜ重要なのでしょうか?
口腔外科医としての経験は、インプラント治療において極めて重要です。インプラント治療は単なる「歯を入れる」処置ではありません。骨に人工歯根を埋め込む外科手術であり、全身状態の管理、解剖学的知識、そして緊急時の対応能力が不可欠なのです。
日本顎顔面インプラント学会の会員の多くが口腔外科学を基軸とする立場の大学教室や病院診療科に在籍しているのは、この専門性の重要性を物語っています。
私が強調したいのは、「技術的にできる」ことと「その患者さんにとってすべき治療」は必ずしも一致しないということです。口腔外科医として培った診断力と判断力が、ここで生きてくるのです。
骨造成技術の重要性
――難症例への対応能力が名医の証
――先生は骨造成技術の第一人者としても知られていますが、これがなぜ重要なのでしょうか?
インプラント治療において、「骨が足りない」という理由で治療を断られる患者さんは少なくありません。しかし、適切な骨造成技術があれば、多くのケースで治療が可能になります。
GBR、ブロック骨移植、チタンメッシュによる歯槽堤造成、水圧式ソケットリフト法、サイナスリフトなど、様々な骨造成法を習得していることが、難症例に対応できる医師の条件です。
船に例えるなら、穏やかな海だけを航海する船長と、嵐の海も乗り越えられる船長では、経験値も技術も全く違います。骨造成ができる医師は、後者の船長と同じ。患者さんの様々な状況に対応できる引き出しを持っているのです。
- 自家骨採取技術:患者さん自身の骨を安全に採取できる
- GBR法の習得:メンブレンや骨補填材を適切に使用できる
- ブロック骨移植:広範囲の骨欠損にも対応できる
- 上顎洞挙上術:サイナスリフト、ソケットリフトを使い分けられる
匠インプラントで推薦する
医師の基準――5つの絶対条件
――「匠インプラント」で医師を推薦される際、どのような基準をお持ちですか?
私が推薦する医師には、以下の5つの条件を満たしていることを重視しています。
1. 口腔外科的バックグラウンド
インプラント治療は外科手術です。日本口腔外科学会専門医・指導医のような資格を持ち、解剖学的知識と外科的技術を確実に習得していることが大前提です。
2. 多角的な専門性
歯科麻酔学会認定医、有病者歯科医療学会専門医、小児口腔外科学会指導医など、複数の専門領域を持つ医師は、患者さんの全身状態を総合的に判断できます。高齢化社会の現代、全身疾患を持つ患者さんへの対応能力は必須です。
3. 国際的な視野と継続学習
ITIフェロー、ITIジャパンスペシャリスト認定医、ICOI Japan理事長、フェロー、ディプロマなど、国際的な学会での活動は、常に最新の知識と技術を更新し続けている証です。
4. 豊富な臨床経験と教育実績
明海大学病院口腔インプラントセンター長のような立場で、多くの症例を経験し、かつ後進の指導にも携わっている医師は、技術の体系化ができています。
5. 倫理観と患者への誠実さ
禁煙推進宣言に同意することなど、患者さんの長期的な健康を真剣に考える姿勢を持つ医師であることが重要です。
患者が後悔しないために
――今、知っておくべきこと
――患者さんがインプラント治療で後悔しないために、どんなことを知っておくべきでしょうか?
「安さ」だけで選ぶ危険性
価格競争の中で、極端に安い治療を提供する医院があります。しかし、骨造成が必要なケースを見逃したり、適切な診断をせずに治療を進めたりするリスクがあります。
例えば、本来はGBRやサイナスリフトが必要な症例でも、「そのまま埋入してしまう」ことがあります。これは短期的には問題がないように見えても、長期的には失敗につながります。
「できない」と言える医師を選ぶ
実は、「できない」「今はすべきでない」と正直に言える医師こそが名医です。全身状態が悪い時、骨の状態が極端に悪い時、患者さんの期待と現実的な結果にギャップがある時――こういった場面で、誠実に説明してくれる医師を選んでください。
複数の専門医資格を持つ医師を探す
日本顎顔面インプラント学会では、専門医や指導医の資格を取得できます。5年以上継続して会員であること、学会の定める研修カリキュラムに従って5年以上のインプラント治療に携わることなどが条件です。
学会理事長として
――インプラント医療の未来
――日本顎顔面インプラント学会理事長として、インプラント治療の未来をどう考えていますか?
国民中心のインプラント医療、安全なインプラント医療を目的に、学術大会や講演会、研修会を開催し、学会誌を定期的に発刊しています。これは、質の高い医師を育成し、患者さんを守るための活動です。
再生歯科学、骨再生、成長因子、顎変形症手術の理論解析など、研究も継続しています。技術は確実に進歩していますが、どんなに技術が進歩しても、それを扱う医師の倫理観と人間性は変わらず重要です。
2016年11月、ICOI本部直轄の法人組織として一般社団法人ICOI国際口腔インプラント学会日本支部を設立し、初代理事長に就任したのも、国際的な視野で日本のインプラント医療の質を高めるためです。
骨造成を制する者がインプラントを制する
――最後に、これからインプラント治療を検討している患者さんへメッセージをお願いします。
インプラント治療は、確かに優れた治療法です。しかし、全ての患者さんに適しているわけではなく、また全ての歯科医師が同じレベルの治療を提供できるわけでもありません。
特に骨が足りない難症例では、骨造成技術の差が治療結果を大きく左右します。「骨が足りないので治療できません」と言われた方も、適切な骨造成技術を持つ医師なら治療できる可能性があります。
一方で、本来は骨造成が必要なのにそれを省略して治療を進める医師もいます。これは長期的には大きなリスクとなります。
見極めるポイントは:
- 口腔外科専門医などの基礎的な資格を持っているか。
- 複数の学会で専門医・指導医資格を取得しているか。
- 骨造成技術を習得しているか。
- 「できない」「今はすべきでない」と正直に言えるか。
- 長期的なメインテナンス体制が整っているか。
これらを確認してください。あなたの人生を豊かにするインプラント治療のために、真に信頼できる医師を選んでいただきたいと思います。
まとめ
――名医選びの5つの基準
嶋田先生のお話から、インプラント治療で後悔しないための「名医選びの5つの基準」が明確になりました。
- 口腔外科的基盤:口腔外科専門医・指導医などの資格を持つ
- 骨造成技術:GBR、ブロック骨移植、サイナスリフトなどを習得している
- 複数の専門性:有病者歯科、歯科麻酔など、多角的な知識を持つ
- 国際的視野:ITI、ICOIなど国際学会で活動し、常に学び続けている
- 誠実な姿勢:患者の利益を最優先し、「できない」とも言える
メリットは、これらの基準を満たす医師なら、骨が足りないなどの難症例でも適切に対応でき、全身状態を考慮した安全な治療が期待できることです。また、長期的な予後も良好です。
デメリットは、高度な技術を持つ医師は限られているため、予約が取りにくい場合があること、骨造成が必要な場合は治療期間が長くなり(4~6ヶ月程度)、費用も増加することです。しかし、一生使う歯のことを考えれば、これは必要な投資と言えるでしょう。